SAKAKIHARA

北アルプス立山登山part3「はじめての山小屋泊 一ノ越山荘」

山歩き

はじめての山小屋は室堂(標高2500m)から徒歩1時間(私は2時間)の「一ノ越山荘」(標高2700m)

計画段階では、こちらに2連泊する気満々だったんですけど、「夏場の風呂なし2連泊はキツイ」と多方面からアドバイスをもらい、ここには1泊。

右の「事務所」がホテルでいうフロント。チェックインは13時。

事務所内や、売店では、昼間からストーブがたかれ、スタッフはダウンを着ていました。

気温を知りたくても、ネットがつながらない。12.13度かな?

ここでは、木箱に積み重なった青色のゴム製スリッパをはきます。

潔癖症なので、履くことはもとより、取り出すだけでも苦行。

チェックイン後、部屋へ向かいながら、「どんな部屋でも驚いちゃダメ」と自分に言い聞かせます。

けど、薄っぺらい木の扉にまぁまぁな衝撃。

それから、ふすま無しのむき出しの押し入れに、早まる心拍。

6畳の部屋には布団が6セット(敷布団、掛布団、枕)あるのみ。

時計もなければ、ゴミ箱もない、裸電球が1つ天井からぶら下がっているだけ。

それより、ここって6人部屋なん?どうやって布団敷くん!?

友人の「思ったよりいい部屋だねー」の嬉しそうな声が、脳内をグルグル回ります。

それに晩ご飯を食べている間に、お布団を敷いてもらえるものだと思っていたので、友人が布団を下ろし始めた時には、ほんまにびっくりしました。

まず、一ノ越山荘を探検。

130名宿泊可能ですが、お盆の真っ只中でもあり、この日は当然満室です。

写真は大部屋(相部屋)

雄山が真正面に見えて、バツグンに景色がいい部屋なのです。

この日、男女合わせて15名くらいで利用されていました。

男女の別とか配慮されない・・それが山小屋。

17:00 晩ご飯 

白ご飯はおかわり自由。

標高2700mでこんなご馳走が食べられるとはです。

お腹もすいてはいたけど、感謝の気持ちがとめどなく沸き上がってきて、とにかく美味しい。

一口一口、最後のお茶まで、全部美味しくて感激しました。

なんでもないように見えるかもしれないこの晩ご飯、私には何度でも食べたい記憶として残りそう。

18:45 夕日が雲の中へと沈んでいきます。

少しでも高い所へ登って、最後まで太陽を見送りたい人の気持ち、なんか分かりますよね。

20時頃には上着をしっかり着こんで、満天の星空を見に出ました。

夜になると風も強くなり、気温もさらに下がります。

星空を堪能したあとは、山小屋へ飛び込み、オジサンたちとストーブを囲む・・この時間もイイんです。

この日は「ペルセウス座流星群」の日で、流れ星もすぐに見れました。

感動しているのに、つい口が「ゴールドもみじ、ゴールドもみじ、ゴールドもみじ」って言っちゃう。

広島県人の悲しい性ですね。笑

星もすごかったけど、月の明るさがまた格別で、すごかったなー。

何よりも「水」が貴重な山小屋には、お風呂はありません。

せめて汗ばんだ体をふこうと、これ持って行ったんですけど、なんでわざわざ「クール」を買ってしまったのでしょう。

ストーブをたくほど寒い山小屋では、首元をふいただけで震えあがる羽目に。

体をふくことは潔く諦め、歯磨きだけでいいことにする!

消灯時間は「21時」 時間が来ると、全館の明かりが一気に落ちるらしく、慌てて就寝準備。

チェックインの時にもらった「紙製枕カバー」をセット。

飲食店で使われる紙エプロンと同じ素材なので、ちょっと頭を傾けるだけでカサカサと音がうるさいの。

しかもピラピラの細い部分を枕の下に挟むだけなので、寝入ってしまったら、外れる可能性大!!泣

寝る問題はまだまだ続きます。

私は、寒いと鼻だけ出して、掛布団は口元までかける派。

でも山小屋の布団は、紙製枕カバーの他にシーツ類は一切なし。

誰が使ったか分からない(少なくとも風呂には入っていない)掛布団・・どうやって寝たらいいん!?

行きついたのがこのスタイル。

掛布団をしっかり両脇で挟み、絶対に布団が口元に来ないようにセット。

そして肩や腕には、上着類をどっさりかけて寝ることに。

それがねー、布団問題はクリアしたんですけど、これで終わりではなかったんですよ。

音問題。

壁が薄く、廊下はギシギシ鳴って、大げさに言えば宿泊者130名の行動や会話がつつぬけ。

隣室のイビキにはじまり、他の部屋の出入りがあるたび、「この人は体の大きなオジサン」「この人は細かいことを気にしないタイプ」などイメージできるくらい、音が響いていました。

早い人は2時頃に出発するので、眠った気がしませんでした。

私が全然眠れない中、友人がトイレに行くため目を覚まし、なにやらゴソゴソ探しています。

取り出したのはヘッドライト。それを頭にセットし点灯。

星空を見に行くなら私もと思い声をかけると「トイレ」と一言。

消灯後は明かりまで自己手配だというのです。

そして「ヘッドライト持ってきてないの!?必携品でしょ。山では何が起こるか分からないんだから」って夜中に叱られたわけですよ。

「持ってきてない」のではなく、そもそも「持っていない」ことは内緒です。

そんな会話のあと、ふと、眠れないのはペラペラ敷布団のせいかもしれないと思い、真っ暗な部屋でもう一枚敷布団を引っ張り出し、2枚重ねにしたわけです。

重ねてもペラペラ感はさほど変わらず、冷え切った布団からの寝なおしとなり、ただ我慢が増えただけでした。笑

(写真SNSより拝借)

5:30 快晴

部屋からは、遠く槍ヶ岳もはっきり見えます。

早朝からこんなに晴れ渡った朝はしばらくぶりだと、山小屋のスタッフに教わりました。

その情報がなければ、あたりまえの景色だと勘違いするところでした。

6時朝食

長い夜が明け、食堂に降りると、もうほとんどの人が出発していて、20.30人での朝食です。

これまた、大変ありがたく、とても美味しい朝食。

食堂のテレビでは北口榛花さんがやり投げで金メダルを獲ったニュースに、みんなで拍手。

山の中ではネットがつながらないので、情報難民になるんです。

携帯はカメラ以外の機能をなくしたも同然。

まぁ、でも、それはそれで開放的でよかったなーと思う今。

part4へ続く(明日もつづくよ)