18~24日(火)まで「バスでどこ行く?」運賃無料ウィークで、福山駅バスターミナルは、どの乗り場も人でいっぱい。
駅前がにぎやかだと街に活気があっていいですね。
いつもこんな様子ならいいのにと願うばかり。
日曜日9時半、福山駅発のバスで向かったのは鞆の浦。
バス旅の楽しみの一つは、乗用車とは違う高い場所からの眺めです。
田尻から鞆に入ってすぐの防波堤の向こう側に干潟が出来ることも、今回バスに乗らなければ知らないままでした。
福山の海はかなり知っているつもりでしたが、こんな景色が、こんな自然(降りることはできないと思うけど)が、こんな身近にあったのかと驚きました。
さて、常夜灯の後ろにちょこっと見える「玉津島」が今日の目的地。
玉津島は数年前に一部が崩落して以来、立ち入ることはできません。
でも目の前までは行けるんです。
風に吹き飛ばされて海に落ちる自分をたやすく想像することができ、最後の100m、防波堤の上を歩く勇気がでなくて、ここが私の限界。
この日、バスでやってきた人は、駐車場に悩まなくていいわけですから、何人も同じようにここへ来られました。
中には70代と思える、スーツに革靴というまるで学者みたいな男性も、玉津島の目の前まで行かれたので、妙な想像を膨らまさなければ多分誰でも行けるんだと思う。
あれは津軽島。
上陸できない無人島って、それだけで魅力的です。
お昼ご飯はお好み焼きの「ごろさ屋」
玉津島から一番近い飲食店で、中心地からはずいぶん歩かなくてはいけない場所。
「ふつう麺」と「辛麺」を選択するだけ。
つまりメニューはお好み焼き(府中焼き)1択!
偶然入ったお店だけど、がんがん注文電話がかかってきます。
この辺りには飲食店がなく、近所の高齢者が食べるのに困る・・という悩みを受け止め、それならばと元左官職人の男性を中心に、親戚・お仲間とで、赤字にならない程度に営まれているお店でした。
店内は鉄板の前、3席のみ。
子どもと二人だったこともあり、ご主人たちの会話に自然的に引き込まれます。
「おかしいなぁ、12時じゃ言うたのに、いま届けたら誰もおらんかった」・・・耳が遠くて呼び鈴が聞こえていなかったと、後の電話で判明。
「んっ?そのお客さんならいっつもダブルの注文じゃ。シングルなんて頼まれたことないで、あんたの聞き間違いよー」・・・この日に限り、シングルの注文で正しかったと、引き取りの時に判明。
「あれ、私さっきお金もらったかなぁ?」とまぁ、こんなやりとりがずっと続くんです。
まるで親戚の家に遊びに行ったみたいな賑やかさ。
こちらの存在はないも同然の、その当たり前の空気がとても居心地がいいんですよ。
1枚500円ですし、カリッと焼きあがる府中焼きの味は文句なしで、人柄からしても、注文の電話が鳴り続けるの分かるな~。
ちなみにキャベツが高騰しているので、わが家ではお好み焼きは2ヶ月ガマンしているところ。
このキャベツの量に子供が驚愕し、「これで500円ってありがたいなー」ってお好み焼きをじっと見つめるんですよ。
キャベツも満足に食べさせてあげられなくてゴメンよって話です。笑
ここは悲恋の伝説が残る「ささやき橋」
ささやき橋は、沼名前(ぬなくま)神社の前。
沼名前神社は、お手火神事やお弓神事などの祭典を始め、豊臣秀吉遺愛の能舞台等の文化財などでも知られます。
来年にはこちらに能楽師が40名が集まり、一大イベントが企画されているそう。
ちょっと気になる行事ですね。
こうして鞆の街並みを、ゆっくり楽しんでいると、「駅まで戻ったら、次はどこ行く?笠岡?尾道?」って、本日2度目の移動を提案してくるわが子。
「もう十分」とは言えず、バスを待つ間にケーキを購入。
「ケーキの箱あると、歩くのに邪魔じゃわー」ってちょっと大きめの声でつぶやいてみる。
すると、空気を読んだ子供が「なら今日は家に帰ろう」って自ら言ってくれました~。
そうじゃろ、そうじゃろ。あったかい部屋でケーキ食べよう!!
ありがたいバス無料ウィークの週末でした。
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