SAKAKIHARA

広告のマッチ

ひとりごと

家じまいをされ、完全に神辺を離れるお客様に会いたくて、最後のご挨拶にうかがいました。

ずっと生活をされてたわけで、生活空間はそのまま。

家は売買することになり、残っている荷物は全て業者が廃棄することで決まっています。

そんな中、「とても面白いものが出てきたので、これは持って行くことにしました」と見せてくださったのがコチラ。 

喫茶店や旅館、BARなどの宣伝として、あちこちで無料でもらうことができた広告用のマッチ。

時代を物語るデザインで、いくら見ていても飽きないんです。

マッチ談義をしながらも、一つ黙っていたことがあります。

榊原商店のマッチをご存じないですか?と問えなかったこと。

昭和40年代までは榊原商店も広告用のマッチを作っていたのです。

ただしうちのは、100本か200本くらい入った大箱で、仏壇の前に置いておくのにちょうどいいサイズ感だったので、扱いも違っていたことでしょう。

それにしても、「掛け軸や器もそのまま置いて行かれるのに、マッチは手元に残されるのですね」って、これは言わずにはいられませんでしたよ。笑

こちらのご家族とは、もう簡単にはお会いすることはできません。

でもLINEがつながっているので、お互い育てている廉塾バラの様子を報告し合ったり、神辺の様子を報告したりと、交流が続くのは嬉しいことです。

便利な時代だなー。