黒滝山に登ろうとした日、現地到着はお昼12時。
まずお好み焼き屋さんで腹ごしらえ。
キャベツの高騰で、わが家の食卓からキャベツが姿を消し、3か月目に入りました。
そういうこともあって、お好み焼き屋さんのキャベツ事情を心配しながらも、美味しくいただきます。
こちらのご主人は、元散髪屋さん。
30年前に心筋梗塞になり、もう命はないものと思い、散髪屋をやめて、奥さんのためにお好み焼き屋に改装したのだそう。
だからお好み焼き屋が営業中なら、散髪屋のこのサインがグルグル回っています。
手先が器用なご主人は、時間があれば竹細工をされるそうで、「ちょっと見てくれる?こんなんも作った。これも作った。こっちも見て」と作品がどんどん出てきます。
お好み焼きを食べ終えたら、黒滝山から縦走して白滝山まで行くつもりだと伝えると、ご主人の熱い想いが溢れ始めました。
「大久野島は、ただウサギがおるだけの島じゃろう。そんなん黒滝山の良さにはかなわんよ」とか
「黒滝山は、愛する会があるけーなー。手入れもすごいんじゃけ」とな。
「白滝山は愛してあげないんですか?」とたずねると、「愛するもんか。白滝さんは三原。黒滝山は忠海じゃけぇなー」って。笑
二つの山はそもそも町が違ったんです。
そりゃ、そうなりますよね。地元愛って、そういうもんです。
そのご主人が教えてくれた「幸福の鳥居くぐり」
ここを通り抜けたら幸せになるらしい。
だから絶対ここは通っていきなさいと素敵な提案をいただきました。
スーっと抜け、あっさり幸せを手に入れる中学生。
私ももっと幸せになりたい!!
肩関節の柔らかさをいかし、ゴソゴソしているうち、スーッと上半身が通りました。
やったー、通れた!!
っと、喜んだのもつかの間。どうにも体が動かない。
「お母さん、シンデレラフィット!!!!」と喜ぶわが子。
その言葉が可笑しくて、笑って力が入りません。
たしかに見事なシンデレラフィット。
こんなとこまで迎えに来てくれる王子様もいないし、自分でなんとかしなければいけません。
足首を曲げたり伸ばしたりして、地面を押すうちなんとか抜け出ました。
セーフ。
あ~、ここで残りの人生を過ごすのかなぁなんて、一瞬呑気に考えたりもしましたよ。
上半身さえ通れば、下半身は必ず通るものなのでしょうか。
やってみてください。
ちなみに鳥居は二つ並んでいます。
私が捕獲されたのは左。
右はさらに一回り小さいので要注意。
この日、黒滝山から白滝山へと縦走するつもりでしたが、やたらとのどが渇き、山頂に着くころには水分を飲み干したので、白滝山は断念。
原因は、登山前のお好み焼きだと思われます。終始喉がカラカラでした。
白滝山、また来るよ~。
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