SAKAKIHARA

父の記憶~覚えててくれてありがとう~

柴犬の玉錦

月曜20時、NHK「家族に乾杯」を見ていた父から電話

「イモトアヤコさんが、お前のと同じ籠背負っとるの見て電話しとるんじゃけど」って。

「お前のかご、うち(実家)の2階に忘れとるで。あれ、いるじゃろう。取りに寄りよ」と、いつも通りの口調。

意地悪や、からかっている雰囲気は全く感じられません。

実はこれ、私が高校一年の正月、総社の最上稲荷へ初詣に行った際、参道沿いの土産物屋で父が買ってくれたもの。

 

いっちょ両親を笑わせてやろう!と思い、土産物屋の片隅に置かれていた籠を背負って、どう?って見せたんです。

大笑いする母の横で、目をぱっちり開き驚く父。

「わしゃー、おみゃーみたいに、この籠が似合う人は見たことにゃあ。こりゃー、おみゃーのために作られたような籠じゃ。よう似合うのぅ。ホンマよう似合う。よし、買うちゃろう」

となり、かごを背負ったままレジに連れていかれ、2700円を支払いました。

母も止めてくれたらいいのに、ただ笑うばかり。こんなん背負って歩く女子高生、シュールでしょう。駐車場も遠く感じたよ。笑

そんな流れではありましたが、父が褒めてくれたことで私も気に入り、親元を離れて生活していた下宿先(岡山)に持って行きました。ちなみに部屋は4畳半で押し入れ無し。唯一のオブジェがこれです。笑

その後も、大学(大阪)→就職(札幌)→転勤(大阪)→引っ越し(神辺)まで、この籠とはずっと一緒。

神辺に戻ってきたタイミングで、実家の2階に残したわけです。

自分はもういらない、けれど捨てれない・・・そ~っと2階に置いていたつもりでしたが、父にとっては「娘の忘れ物」で、親切心から電話してきたのです。

その気持ち、むげに出来ません。結局、わが家へ持ち帰ってきました。

意外にも興味を示したのは子どもたち。かっこいい!!と言うのです。

それは、たまを運ぶ箱としての評価でした。

最初はたまも不安そうにしていたけど、ベランダに出たら表情が一変

布団と一緒に日光浴

もう嫌そうな顔はしません

籠ごとベランダに下ろされた後も、出ようとしない

まさかシンデレラフィットで出てこられないのか!?

いや、明らかに気持ち良さそう。目を閉じ日向ぼっこ満喫中

誰に背負われようと、たまも動じなくなりました

部屋でも籠から出ようとしないので、よほど気に入ったのでしょう

需要と供給のバランスって、意外なところでマッチするものですね

お父さん、思い出のかご、覚えててくれてありがとう。

やっぱり私の元に置いておくのが良さそうなので、これからも大切にします。

プロパンガス・ガス衣類乾燥機「乾太くん」のことなら、福山市神辺町の榊原商店まで。