「あればー、こればー、ちーとばー。芋ばー食うて、屁ばーこく」=「あればっかり、こればっかり、ちょっとだけ。芋ばっかり食べて、おならばかりする」
これが備後弁です。笑
お客様から「ツバキがようけぇ咲きょうるけぇ、とりにきー。ハサミはなんぼでもあるけぇな。何ももってこんでええんよ。」と電話が入りました。
ということで、重政さんと軽トラで訪問。
こちらのツバキ、山の斜面に生えていまして、かなりの背丈まで育っています。
お客様が用意してくださっていた高枝バサミで切り落とす・・・はずだったのですが、切れません。
重政「こりゃー、ハサミがぼろでぇ。全然切れなー」
お客様「なにゅーようてん。切れるか切れんかは道具のせいじゃありゃーせんが。気持ちの持ちようじゃろうで」
重政「いいや、こぎゃあなハサミじゃあ無理で」
お客様「貸してみ。私が切るけぇ! 」
と、倒木に座って監督していたお客様もご自分の高枝バサミで切ろうと試みたのですが、全く切れそうな気配がありません。そこで、もっと高いところから切ってみようということになりました。
ということで、重政さんとお客様二人合わせて150歳のコンビで山の斜面を登りはじめました。
「大丈夫ですか?ケガしないでくださいよ。」と心配する私の声なんて、二人の心には届く様子もありません。
立派に育った大きなツバキが相手では、上からだって切れることはなく、結局お客様が自宅のノコギリを取りに戻ることになったんです。
登った斜面を歩いて降りてくるのではなく、藪のすき間を土手すべりの要領でお尻を地べたにつけたまま降りてこられたお客様。
ズリズリ・・ズリズリ・・ズリズリ~ドスンと仰向けで滑り落ちてきて、座り込んだまま大笑いされておりました。
その大笑いの様子に、ケガがなかったことを確認し、ホッともしましたし、私もやっぱり大笑いが止まりません。
で、ノコギリでツバキを切り始めた重政さんに、「重政さん、どこ切りょうてん。もっとええ枝持って帰り。そぎゃあな枝切っても、花ついとらんが」とお客様のゲキが飛びます。
お客様が杖代わりに使っている、山で拾った木の棒で「あっちじゃ、そっちじゃ」と指示を出し、まぁ賑やかです。
壮絶な備後弁劇場に、重政さんも、私も、お客様だって笑いが止まらない不思議な時間。
※お客様の背中についた草から、斜面を滑り落ちたときの様子もご想像ください。
ついに重政さんも、姿が確認できないないような高さに到達し、たくさんのツボミがついたツバキの枝を左手で掴むことができました。
上のほうでギコギコ、ギコギコと枝を切る音が聞こえます。
しばらくすると「落ちるでー」と重政さんが叫びました。
てっきり大きな枝が落ちて来るものと思っていたら、落ちてきたのは重政さん。
左手にツバキ、右手にノコギリを握り締めて、大の字の姿勢で重政さんが、ゆ~っくり落ちてきました。
大きなツバキの枝たちがクッション代わりとなって、地べたまで安全に重政さんを降ろしてくれたんです。
落ちた瞬間は、私も可笑しすぎて、カメラを向ける手が震え、すぐには撮れなかったんですが、それでも笑いをこらえながら撮った一枚がこちらです。
重政さんが身体を張って取ったツバキ、全体重がかかった証拠に、枝が裂けて折れたようです。
お客様と仲良く現場検証中。
どちらもご無事でなによりです。笑
静かな山あいに、私たちのうるさいほどの笑い声が響き渡ります。
備後弁劇場、長時間にわたる笑いのせいで、なかなかの体力が必要なんですよ。
帰りの車内で会話をするパワーまでは残っていませんでした。
今榊原商店では「ガス衣類乾燥機」のお試し貸し出しをしています。ご検討の方、ご連絡お待ちしております。
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