投入堂(なげいれどう)・・・命を落としかねない危険な場所に立つ国宝です。
滑落して命を落とす事故もおきているので、入山チェックはとても厳しく、特に靴の裏をじっくり見て、滑らず登りきれるかのジャッジは、2度(2人の人から)行われます。
で、この靴は危険かも・・・と思われた人は、有無を言わせずわら草履を履かされるんですよ。
現地で900円で販売していますので、買ってください。
履き方の模範。草履の人は靴下もNGです。
寒い時期、素足は本当に辛いので、草鞋を履かされることがないよう、滑らない靴を履いてお出かけくださいね。
スニーカーでも、アウトの人もいましたし、スカート系なんて、下にズボンを履いていてもダメなものはダメです。
そして拝観するには、入山料1200円をお支払いし、名前を明記します。
それから修行者の証であるタスキを受け取り、これを全員掛けていざ入山。
御神木らしき、しめ縄が張られた木に挨拶をしたら、この先は一気に修行が始まります。
山に入ってすぐの写真がこちらです。
ほぼ垂直に、木の根っこを足場にして登るのですが、こんな所が延々続くのです。
木登り、岩登り、鎖場・・・命の保障のない約2時間のアスレチックでした。
なぜなら追い抜くようなゆとりあるスペースが存在しないからです。
水分を補給するのだって、バランスを取りながら十分気をつけておかないと、ゴロンゴロンと落ちかねません。
途中にある「文殊堂」がチラリと見えてきました。
私は文殊堂の手前、ここが一番怖かったかな。
いや、どこもかしこも怖かったかも。
文殊堂からの景色は最高なので、とにかく泣き言言わずに上がらなくちゃ。
宙を浮いているような建造物なんです。
手すりもなければ、落下防止ネットもない。
突風が吹いても、地震がおきても、絶対落ちることがないように、自分の身は自分で守ってくださいね。
ここまでだけでも疲労感いっぱいです。
登り始めてはじめての休憩。
ほんの1分ですが、高所恐怖症を押し殺して、座って休息する選択肢を選びました。
恐怖で心が折れそうになる、疲れた登山者を癒してくれるのは、小さな植物たちです。
癒されつつも、こうして写真を撮っている瞬間もバランスを崩さぬよう、細心の注意を払いながら携帯を取り出して撮影するんです。
こちらの鎖場は、自分からは足元が見えないので、足先に集中して一人づつ進みます。
60代の男性が足元を滑らせ、この鎖にブラーンとぶら下がったときには、さすがに悲鳴が上がりました。
なんとか自力で体勢を整えクリアされたけど、油断していたら手を放して大ごとになっていたことは間違いないでしょう。
このお堂が見えてきたら、投入堂まではもう少しです。
こちらのお堂の後ろが、入山して唯一わずかな平地がありました。
どうしてもしっかり休息が必要な人は、なんとしてでもここまで来ないと、ゆっくりすることは難しいかもしれません。
こちらが日本一危険な国宝「投入堂」です。
断崖絶壁のあんなに高い岩の隙間に、重機もなかった当時、どうやって建てたというのでしょうか。不思議ですね。
では無事に下山できることを祈って、折り返します。
下山中、足がヘロヘロになっていたのか、2度ほどつまづき、後日手足に身に覚えのない青あざがたくさんできていました。
あっ、そうだ。ここはあまりに危険な山行のため、一人では入山できません。
もし一人で行ってしまった人は、次のグループの仲間に入れてもらうことになります。
こちらのカップルは靴裏が滑るとジャッジされたのでしょう。
2人して仲良く草鞋を履いていましたが、こんな初々しいカップルと組まされることもありえますので、お誘い合わせの上、どなたかと入山してくださいね。
私は早朝急いで家を出たこともあってか、眉毛を描き忘れていた事に、下山してトイレの鏡を見て気がつくという大失態をし、雄姿をたくさん撮ったのに、全部ボツという悲しい結果となりました。泣
また来るぞー!
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